「不注意・忘れっぽい・じっとできない」などの症状が小児期に目立つようになりますが、成人になっても、その40~80%の方において症状が継続すると言われています。
海外の調査では、症状が小児期だけではなく、成人になってもみられる「大人の発達障害」が成人の10%いるとの報告もあります。
大人の発達障害とは
子供の発達障害と同様に以下の特徴が見受けられます。
・対人関係の障害
自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを察したり、他の人の思いに共感する、こだわりがあるという症状はありますが、言語障害や知的障害がないために障害があるようには思われず、「変わった人」「個性的な人」というイメージを持たれる場合が多いです。
また、守りごとやルールを柔軟に考えることができず融通がききません。
変に正義感が強く完全主義で適度の行為をとがめ、それを他人にも強要したりしトラブルを起こします。
・想像力の欠如
会話能力は正常ですが、表情や行間を読むことができません。
また、誰もが言わなくてもわかるだろうと思うことも明確に言葉で伝えなければわからないことがあります。俗にいう「場の空気を読む」という事ができません。また同様に冗談が通じない事が多く、冗談でも素直に真に受けてしまう事があります。
一つ一つ説明してもらわないと理解ができず、「適当でいいよ」などの
あいまいな表現の場合に、どのようにしたら良いのかわからない。
うっかりミスが多く、一度に複数の指示をされると忘れてしまう、複数の仕事を同時に処理することが苦手で、作業効率が悪いなどがあげられます。
・特定のこだわりがある
自分なりの特定の習慣や手順、順番に強いこだわりがあって、臨機応変な対応ができないため変更や変化を極度に嫌います。ルールや決まりごとを頑固に守って、融通がききません。
突然予定を変えられると、たちまち不機嫌になったり、パニックになったりしてしまう傾向があります。
中学、高校、大学生の頃までは、成績が良くて勉強が良くできるし問題行動もなかったことから自身も周囲も、発達障害であることに気がつかず、職場に出たり結婚したりした時に初めて、諸々のトラブルに悩まされる方が多いようです。
大人の発達障害も治療は可能です。
治療を始めるのに遅すぎることはありません。
まずはご自身が発達障害であることを認識し適切な治療を受けましょう。
そして周囲の適切な支援やサポートを受けることが大切です。