注意欠陥多動性障害

脳の機能不全による障害と言われており、不注意・多動性・衝動性の3つの症状が特徴です。注意欠陥多動性障害は男児での発症が女児よりも割合が多く、約4:1の性比率で男児 が多いことが報告されています。

脳機能の障害と考えられ 近年までは明確でないとされていましたが、昨今では先天的な遺伝子的要因と後発的な環境的な要因で中枢神経系に何らか の機能障害が発症し能障害があるのだろうと推定されています。

 注意欠陥多動性障害の原因が「親のしつけの悪さ」にあるといわれることがありますが、それは大きな誤解です。

注意欠陥/多動性障害とは

不注意(集中力がない・気が散りやすい)、多動性(じっとしていられない・落ち着きがない)、衝動性(順番を待てない・考える前に実行してしまう)の3つの要素がみられる障害のことです。
 
小さい子どもであればこれらの要素は誰にでも見られるものなので、周囲の人たちに障害という認識をもってもらえず、ただの乱暴者や親のしつけが出来ていない子といった認識をされてしまうといった、誤解を受けてしまうケースが多々あります。

注意欠陥多動性障に対する社会の理解が少ないために、その症状について周囲の人から「なまけている」、「不まじめ」などと言われ、理解を得られないことも多く、本人や家族が孤立してしまうこともあります。
 
また、多くの場合、注意欠陥多動性障害の症状は、年齢を重ねるにつれ改善していきますが、中には大人になってからも苦しんでいる人もいます。
 
年齢と性別により異なり、だいたい就学前後の年齢層に多くみられ、多動性-衝動性優勢型や混合型が大きな割合を占めています。
 
ところが年齢が高くなるにつれて有病率は下がるものの、逆に不注意優勢型の割合が大きくなってきます。
 
以前は小児期の疾患と考えられていましたが、成人においても障害が持続することがあり、成長してもその傾向は残存することがわかってきました。
 
非行との関連も注目されており、注意欠陥多動性障害の一部は小学校高学年において反抗挑戦性障害に、青年期で行為障害、成人後に反社会的人格障害になる、いわゆる二次障害の可能性もあるといわれています。
 
このような症例では発達障害児に対しての児童虐待など、家庭状況が大きな影響を与えていることが知られており、適切な時期に治療のほか、家族、周囲の病気に対しての理解、教育的な介入を行うことが大切です。

 

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