日々の生活や子どもたちの指導にかかわる中で、子どもたち一人一人がそれぞれのスピードで出来るようになっていく姿や、出来なくても諦めずにもう一度チャレンジしようとする姿をたくさん見ることができます。成長とともに自分で生活の流れをつかみ、準備や片付けなど少しずつでも自分でやろうとする姿を見ることもたくさんあります。また、保育園、幼稚園、小学校、中学校などに通いだすと、到着してからの行動や、授業や生活の流れなど、声をかけられなくても次の行動を予測して動けるようになる子どもたちもいるでしょう。発達に遅れがあったり、発達障害のお子様は、行動の結果を予測することが難しい場合があります。生活の中でなかなか次の行動に移せない、指示をすれば行動するけれども指示をしないと周りを見ていたり、違うことを行っていたりします。年齢が高くなっても危険であるとわかっていることを平気でしてしまうこともありますし、何度も同じことで注意されたりすることもあります。そのような原因の一つとして考えられることに行動の結果を予測していない場合があります。
行動の結果を予測出来ていない原因
・行っている活動が好きなため
・次の行動がいやなため
など、他にも理由がある場合があるのでそれを見極めて対応していく必要があります。
たとえば、次の行動が嫌だから次の行動に移らない状況があったとします。その場合、次の行動が嫌だからといってずっと好きなことをやめずに過ごすことは、これから成長し一人で生活をしていく子どものことを視野にいれると、良いこととは言い切れません。ですので、小さなうちから行動の結果を予測することを少しずつできる範囲で育んでいけば、本人も周りにいる人たちも生活がしやすくなるのではないでしょうか。まだ、小さい子どもは言葉だけの指示では難しい場合もあります。そんな時は、1日の生活の流れや、行動の流れを絵や写真で視覚的に分かりやすく示してみましょう。目で見て分かると、自分が次にする行動も予測しやすくなります。そして、だんだんに言葉での指示が通るようになってきたら事前に行動の確認を言葉でして見通しを持てるようにしていきます。徐々に言葉をかける回数を減らしていくといいでしょう。生活の中で規範意識や危機回避を育てるためにも、この後どうなるかを予測させ、事前に伝えておくことも大切です。事前に伝えることで知識となり、その子が知識として蓄積しておくことで次の行動を予測する力がついていくのだと思います。