アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを察したり、他の人の思いに共感する、こだわりがあるという症状はありますが、言語障害や知的障害がないために障害があるようには思われず、「変わった人」「個性的な人」というイメージを持たれる場合が多いです。
そのため、理解や支援を得にくいという面がありますが、アスペルガー症候群は周囲のサポートの必要な障害であり、
周囲の理解が必要なのです。
アスペルガー症候群についてはまったく同じタイプはいないと思われますが、典型的な症状を下記にあげます。
・対人関係の障害
かんたんに言えば、「人付き合いが上手く出来ない」という事です。
アスペルガー症候群の方は、相手と程よい距離間を持って、自然なコミュニケーションを取ることが苦手です。
人と話している時に、目が泳いでしまったり、表情が場にそぐわないものであったり、対話する距離感が近すぎたりという不自然さが認められます。
また、相手を傷つけてしまうことをはっきりと言ってしまうこともあります。
「太っているね」などと、見たそのままを相手がどう思うのか想像できずに言ってしまいます。
俗にいう「場の空気を読む」という事ができません。
また同様に冗談が通じない事が多く、冗談でも素直に真に受けてしまう事があります。
曖昧なコミュニケーション手段は非常に苦手であり、身振りや表情で伝えたり、
アイコンタクトで伝えあったりという事が困難です。
こういったことにより、対人関係がうまくいかなくなってしまうことが多々あります。
・想像力の欠如
アスペルガー症候群の人は、会話能力は正常ですが、表情や行間を読むことができません。
また、誰もが言わなくてもわかるだろうと思うことも明確に言葉で伝えなければわからないことがあります。
冗談のようなこんな話があります。
「今日は、学校が終わったらまっすぐに帰ってきてね」というお母さんの言葉を聞き、
「家までまっすぐに帰る道はないよ」と真剣に答えたそうです。
言葉の抽象的理解が乏しいことが、見受けられることもあります。
・特定のこだわりがある
アスペルガー症候群の方は、興味やこだわりが強いことが多いことが知られています。
車や鉄道、コンピューターなど特定のものに興味を持ちます。誰もがあり得ることのようですが、
アスペルガー症候群の場合は過剰なまでに熱中します。
興味のあるものに関しては、大量な情報を記憶することも珍しくありません。
子どものうちであっても100種類以上の車や電車の名前を全て覚えていたり、何百種類もの昆虫を
全て記憶していたりと驚くような興味・記憶力を発揮することがあります。
特に法則性や規則性のあるものに興味を示す場合が多く、異常なほどの集中力や記憶力、こだわりをみせます。
また、規則的な行動にこだわり、決まった道順、決まった手順、決まった日常習慣などがあり、
このような本人が決めたルールを変えることを嫌います。
違う道を通ったり、予定を変更したりすると、混乱してパニックを起こしてしまうこともあります。
コミュニケーション、社会性、感覚面、想像性や思考の柔軟性に問題がある障害です。
ただしほとんどの場合はアスペルガー症候群だけではなく、
・注意欠陥多動性障害
・学習障害
上記の特徴も併せて見られる傾向が強いです。