発達障害増加の原因

発達障害の割合に関する最近の報告をまとめてみると、知的障害1%、自閉症2%、注意欠陥多動障害3~5%、限局性学習障害5%などとなっています。   単純に合計すると、子供の約1割以上が発達障害ということになります。 近年に入り発達障害の児童数は増加しているのです。

発達障害増加の原因として、

  1. 発達障害が知られるようになり両親が子供の異常に気がつきやすくなった。
  2. 発達障害の診断基準の普及によって医師が診断しやすくなった。
  3. 外的要因の増加

①、②によって増加したということもありますが、昨今の少子化の状況から、
それだけで急激な増加につながったという説明には少々無理があります。
 
 

 
発達障害発症の原因は大きく二つに分けることができます。
 
それは、生まれつきの遺伝的原因と後天的な環境的原因です。
 
図に示すように遺伝的原因と環境的原因が合わさることによって、
発達障害が発生すると考えられています。

これは、高血圧や糖尿病などのありふれた病気が発生するのと同じです。
高血圧や糖尿病などは、もともと高血圧や糖尿病になりやすい遺伝的原因を持った人が、過食や高塩分食や運動不足などの環境的原因が影響して、高血圧や糖尿病などが発症します。
 
発達障害の場合は、脳の発達は6歳ぐらいでおよそ成人の90%程度まで急速に成長するために、脳細胞やシナプスの形成などが急速に行われるため、環境的原因の影響を早い時期に受けやすいので、発達障害は比較的低年齢の時に発生すると考えられます。

 

遺伝的原因

最近の研究により自閉症スペクトラム障害(ASD)や
注意欠陥多動性障害(ADHD)などに関連する遺伝子がわかってきました。
 
発達障害の発生はごく一部の例外を除いて単一の遺伝子が関係しているのではなく、
多くの遺伝子が関わって発生することがわかってきました。
 
多くの遺伝子と環境的原因が複雑に絡み合って発達障害が発症します。
そのため、発達障害になりやすい遺伝的原因があったとしてもそれだけでは、発達障害が発症することは少ないのです。 

 

環境的原因

発達障害を引き起こす環境的原因は、1、腸内フローラのバランスが崩れことによって発生する腸内環境悪化、2、農薬や有害重金属などの有害物質蓄積、3、機能性低血糖症や成長ホルモンの分泌不足などのホルモンバランス異常、4、炭水化物、タンパク質、脂質などの3大栄養素をはじめとするビタミン、ミネラル、などの栄養不足、5、妊娠中の母体の胎内環境悪化、6、その他の原因などがあります。

 

 

引き金となる環境的原因

  1. 腸内環境悪化
  2. 有害物質蓄積
  3. ホルモンバランス異常
  4. 栄養不足
  5. 母体の胎内環境悪化
  6. その他

 

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